カエルの楽園
百田尚樹 著 /
ここはほんとうに楽園なのだろうか…
絶対的な掟「三戒」により平和と秩序を守る国。
そこは薬園と呼ばれ、人々はそれを盲目的に享受する。
しかし、その国を脅かす脅威が目の前に迫ってきた時、その「三戒」により国は守れるのだろうか。
人々は、恐怖や不安が押し寄せてくると、考えることをやめ、歩みを止める。
そして救いを求めて、目の前にある藁を掴もうとする。
群集心理の危うさ、愚かさを痛切に感じさせる。
また群集心理を利用し、権力に任せ、思うがままに誘導し、崩壊へと導く指導者とそれに熱狂乱舞する群衆。
本当の敵は、迫り来る恐怖ではなく、群衆の中にある狂気。
顔のない人々、思考停止の愚かさ、国という巨大組織の脆弱さ…
我々の住む国は果たしてどうだろうか。
★ハッとしてグッとポイント★
最大の悲劇は、良心的な愚かさによってもたらされる。
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