人工知能は人間を超えるか

松尾豊 著 / 

   

人工知能の研究は、これまでブームと冬の時代を繰り返してきた。

最初のブームは、1950年後半~1960年代。

ある特定の問題は解けるが、複雑になるとついてこれなくなった。

  

その後、研究は下火になり、1980年代に、コンピューターに知識を入れると賢くなるというアプローチが全盛を迎える。

  

その後、1990年代に入ると、インターネットが爆発的に普及し、大量のデータを用いた「機械学習」が広がっていく。

その代表格が、グーグルやヤフーの検索エンジンシステムである。

 

そして現在、世の中の巨大なデータを、一気に分析解析するスーパーコンピューターの出現で、学習能力のスピードが飛躍的になり、その研究は一気に盛り上がりを見せる。

  

現在では、iPhoneなどに搭載されたSiriや、プロ棋士と人工知能が戦う「将棋電王戦」、世界一のクイズ王に挑むIBMが開発した人工知能、ワトソンやソフトバンクのロボット、ペッパーなど、注目度や話題性が高まり、人工知能市場に巨額の投資をし、大きなビジネスチャンスが到来している。

 

しかしその一方、人工知能の未来に警鐘を鳴らす著名人も数多くいる。

宇宙物理学者のホーキンス氏は「完全な人工知能を完成させたら、それは人類の終焉を意味する」、ステラモーターズCEOのイーロン・マスク氏は「人工知能には慎重に取り組むべきだ。結果的に悪魔を呼び出していることになるからだ」と語る。

 

これらのネガティブな意見が飛び交うのは、人工知能が我々人類にもたらすものは、全て歓迎されるものではないからだ。

   

まず思い浮かぶのが、映画「ターミネーター」の世界。

サイバーネットという人工知能が暴走し、人類に戦争を挑み、破滅へと導く。

またSF映画の傑作、「2001年宇宙の旅」では、自分の身に危険を感じた人工知能HALが、脅威となる人間を意図的に殺していく。

コンピューターが自ら感情を持ち、自らの価値判断で行動しだす。

   

しかしながら、このような危惧する状況が近い将来訪れるのだろうか?

 

答えはノーだ。

  

我々が今目の当たりにしている人工知能は、自ら感情を持ち自己判断のもと行動するものではない。

簡単に要約すれば、人間が巨大な情報を入力し記憶させ、それをコンピューターが選別、最適化して、瞬時にして行動に移すというシステムに他ならない。

  

Siriで意思疎通が出来ていると感じていても、実は与えられた情報から最適な回答を導いてるだけなのである。

  

ただし、現在の最新の研究では、そのビッグデータから、コンピューター自らが情報の特徴や繋がりを導き出し、新たな概念(仕組み)を生み出す、ディープラーニングという、かなり画期的で今までの研究に風穴を空ける技術が完成しています。

   

その辺りの詳しい内容は本著を読んでください。

私の知能ではバグが発生しますので。

  

にしても、いくつになっても男の子は、ロボットや宇宙の話を聞くとワクワク、ドキドキするもの。

  

興味のある人は是非。

   

★ハッとしてグッとポイント★

人工知能を知ることは、人間を知ること。

読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

0コメント

  • 1000 / 1000