人を動かす

D・カーネギー 著 / 

人は頭ごなしに、あれをやれ、これをやれ、といってもそう簡単には動かないものである。


ましてや相手の欠点をあげつらい、非難し、それを矯正しよう大声を張りあげることは得策ではない。


まずは相手を理解するするように努めるべきだ。

常に相手の立場に身を置き、相手の立場から物事を考える。


神様でさえ、人を裁くには、その人の死後までお待ちになる。


そして、自ら動き出したくなる気持ちを相手に起こさせること。

人を動かすには、相手の欲しがっているものを与えるのが、唯一の方法である。

だから、早々に決断を迫らず、まずは相手の立場に立ち、心の火種に風を送るよう後押しをすることだ。


組織のトップに立ち、成功している人には、人の熱意を呼び起こす能力がある。

他人の長所を伸ばすには、ほめること、励ますことが何よりの方法だ。


どんな地位の高い人でも、小言を言われて働くよりも、褒められて働く方が、仕事に熱がこもり、成果も上がる。


人間の行動は、心の中の欲求から生まれる。

相手の心の中に強い欲求を起こさせること。

これは商売においても、家庭、学校、政治においても、人を動かそうするものは良く覚えておく必要がある。


そのためには、常に他人のことに深い関心を寄せること。

我々は、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる。

それは、けして一方通行でなく、双方の利益になるものである。


以下、「人を動かす」一例を記す。


電話やインターネットがまだまだ普及してなかった頃、大学を卒業し、社会に出て行った息子のその後が心配になり、唯一の連絡手段である、手紙を度々送っているのだが、時間がないのか、億劫なのか、一向に返事がこない。


どうしたら、返事を書いてもらえるのだろうか…


そこで母親は、いつもの文面の最後に新たな一文を追記した。


生活費として2万円を同封しました、大切に使ってください。

しかし、実際には母親はその2万円を同封していません。


すると数日後、息子から返事があった。


母さん、いつも手紙ありがとう。

ところで、生活費の2万円なんだけど…


★ハッとしてグッとポイント★

成功に秘訣というものがあるとすれば、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場から物事を見ることのできる能力である。

読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

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