価格と儲けのカラクリ
神樹兵輔 著 /
世の中には様々な業種の仕事がある。
どの業界も利益を出すために、日々試行錯誤している。
たゆまぬ企業努力により、事業内容を改善したり、人員整理をしたり、新たなサービスを構築し、さらなるアイデアを生み出そうと社員が一丸となり、少しでも利益を上げ、生き残りをかける。
昨今の不景気の中、なかなか増益は難しいのも承知の事実。
しかし、そんな状況の中でも、毎年安定した利益を生み出すたくましいビジネスモデルはある。
ただし、中にはとんでもない仕掛けで、利益を生み出そうとする闇の世界がある。
価格と儲けの仕組みを考察すると、そのカラクリが浮き彫りになってくる。
携帯電話の利用料金。
実は日本は世界一高い利用料金を払っている。
では、なぜそんなにも高額であるのか。
携帯を使用するには、電波利用料なるものを国に収めなかればならない。
総務省が管轄する特定財源で、年間約700億円以上にものぼる。
携帯以外にうひとつ、電波利用料を収めている業種がある、テレビ局だ。
携帯会社とテレビ局、それぞれが負担する割合がなんと、90%が携帯で、10%がテレビ。
このいじめのような不公平感に携帯業界は、改善せよと要求しているが、国は一向に首を縦に振らない。
なぜか。
国はテレビ局に「政治のことに余計な口出しはするな」と圧力をかけているのだ。
その見返りが、極端な負担率に現れているのだ。
テレビ局は、格安の電波量を払い、電波を独占し、高額な広告CMで収益を上げ、不況知らずの超優良企業になっている。
それを知らずに我々消費者は、当たり前のように世界一高い携帯料金を毎月払わされている。
世の中の物事には「オモテ」と「ウラ」の両面がある。
「オモテ」が建前で、「ウラ」が本音だ。
いかに良心的かをアピールするのが「建前」で、より多く儲けたいのが「本音」。
この「本音」を見透かされると都合が悪い。
だから、「本音」はいつも闇の中に潜んでいる。
★ハッとしてグッとポイント★
とある昔、我々消費者は「お客様は神様」などと持ち上げられていた。
実際のところ「弱い神様」「裸の王様」にすぎない。
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