ゼロ

堀江貴文 著 / 

 

堀江貴文という男は、とにかく「働く」ことに取り憑かれた男だ。

  

ご存知だと思うが、彼が逮捕され、牢獄に閉じ込められた時、面会に来た人が、差し入れを申し出た時、彼は真っ先に「仕事をくれ」と言った。

  

彼がどうしてここまで、働くことに固執し、突き動かされるのか、その答えの片鱗が本書では語られている。

  

それは、彼のけして恵まれたとは言えない生い立ちにまで話しが及ぶ。

世間一般の人は、彼が天才肌で、奇天烈な発言が多い、攻撃的な人と捉えがちだが、彼は人一倍「努力」の人なのだ。

  

しかし、彼はその行動を努力とは捉えてなく、ただひたすら仕事に没頭し、何もないゼロの場所から小さなイチを積み重ねた結果でしかないと言う。

  

ゼロになにを掛けたところでゼロのままだ。

物事の出発点は「掛け算」ではなく「足し算」でなくてはならない。

 

そう、彼はやはり努力の人だ。

  

彼は学生時代、ギャンブルに溺れ、学業にも身が入らず、女性ともろくに話も出来ず、無気力な人間だった。

  

このまま思考停止していたら、一生「このまま」だ!

  

そして彼は持ち前の好奇心と行動力で、ひたすら突き進む。

サラリーマンという組織の歯車になることを嫌い、お金を「もらう」ための仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に変えよう。

  

儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働く。

  

彼は今現在、様々な分野で新たな事業を展開し、 猛烈な勢いで働いている。

それだけ儲かればもう働かず、リタイヤして悠々自適な生活してればいいのでは、と良く聞かれるそうだ。

  

しかし、そもそも彼はお金儲けのために働いているわけではなく、働くことで自由を手に入れている。

リタイヤすることは、不自由でしかなく、彼の最も恐れる思考停止だ。

  

だから働く。

  

有限なる時間を隅々まで使い倒し、世間話や雑談に費やす時間があるなら、もっと建設的な話をするべきである!とその姿は時に阿修羅の如く、働くことに取り憑かれた鬼にかいま見えるが、彼の仕事に対す取り組み、働くことの意味はとても深く、普遍的で共感できるものがある。

  

物事を「出来ない理由」から考えるのか、それとも「出来る理由」から考えるのか、この分岐点で、イチを足せるのかゼロのままなのかが決まる。

  

それは仕事以外にも人生においても、重要なターニングポイントだと思える。

  

失敗してもゼロに戻るだけ、またそこから出発しよう。

堀江貴文は獄中から出て、その歩みをけして止めない。

  

★ハッとしてグッとポイント★

チャンスだけは誰にでも平等に流れてくるものだ。

読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

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