ホテル再生物語

柴田秋雄 著 / 

  

日本一幸せな社員をつくる。

これがこのホテルの源泉である。

日本一幸せな「お客様」ではなく「社員」なのである。

  

従業員がその仕事に励む喜びを持ち、成長するための努力を惜しまず、全従業員でひとつの理念のもと活躍していく。

それがお客様への接客やサービス、心遣いに繋がり、お客様の幸せに貢献する。

  

ここに従業員からお客様への「幸せ」の連鎖が生まれるのである。

この幸せの連鎖なくして、ホテルの再生は成り得ない。

  

このホテルはかつて、4期も赤字が続き、従業員に覇気もやる気もなく、泥沼の状態だった。

そこに著者の柴田氏が取締役に抜擢され、7期連続の黒字へと導びいていく。

  

そこでまず柴田氏が取り組んだのは、経営方針のテコ入れ以前に、従業員のモチベーションを向上させること。

  

自信のない者に何をやらせても上手くいくわけがない。

食欲のない者に、いくら美味しい料理を出しても箸を付けないのと同じ。

  

従業員のひとりひとりと話し合い、各部署と徹底的に議論を繰り返し、様々な研修を経て、ホテルの土台となる骨組みを築き上げる。

  

会社の財産は人である。

ここに投資しなくては、ホテルの再生はない。

  

このホテルの信念は、長くに渡り受け継がれ、ホテルアソシア名古屋ターミナルとして多くのお客さんに愛されてきた。(残念ながら今はありませんが)

  

確かに勢いがあって、元気のある会社やお店で働く従業員たちの顔は総じてキラキラしている。

いくら技術や知識が備わっていても、それを発揮しようと努めるやる気や情熱がなければ、宝の持ち腐れ。

  

まずは、ひとつの理念のもと一丸となって進んでいくモチベーション、つまり人間教育が最も大切なのである。

  

★ハッとしてグッとポイント★

働く者の幸せは給料の多さで決まるものではない。

働く意義や目的を見つめ、自分をいかに律することができるかどうかである。  

読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

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