ヘンタイ美術館
山田五郎 / こやま淳子 著
ルネサンス、バロック派、古典主義にロマン主義、写実主義にはたまた印象派…
そんな文言を聞いたことはあれど、どこまでも何かとややこしくないか、西洋美術。
そんな西洋美術の歴史を面白おかしく、いやとても分かりやすく、体系立てて解説してくれる。
その時々に活躍し、その名を後世に轟かせる「ヘンタイ」と呼ばれる、芸術家たち。
その芸術家たちの生い立ちや、私生活など、なんとも下世話な話から、その仕事ぶり、評価など対談形式でテンポ良く語られる。
え!?そんなこともあったんだ!と知的好奇心を揺さぶられる話も飛び出てきて、美術ファンならずとも、芸術家の人と成りに思わずニンマリしてしまう。
例えば、皆さんご存知、レオナルド・ダ・ビンチ。
彼は非常に作品の数が他の芸術家に比べて少ないのだ。
完璧主義者でもあり、飽きっぽい性格でもあったので、作業途中で投げ出す始末。
しかし、「モナリザの微笑み」という大ヒット作を生み出したお陰で、その偉業は保たれる。
今で言えば一発屋的画家なのかも。
また数々の発明品のスケッチを残していて、彼こそ万能の天才だ!なんて今では解釈されてますが、当時の庶民の言葉を借りれば、
「あいつホラばっかりふいてっから。
描く描くって言って全然描かねえし、凄い発明をした!と言ってけど、実現したとこ見たことねえし」
みたいなことが言われてたかも。
まあ、いろいろな解釈の仕方はあるかもしれませんが、なんだか、ダビンチ師匠、人間味あってナイス!
むしろそんなファニーな感じが好きだな。
その他、ミケランジェロやカラバッジオ、ルーベンス、アングル、モネやマネ、皆さんご存知の偉大な芸術家の「ヘンタイ」ぶりがいかんなく語られています。
もちろんここで言う「ヘンタイ」とは誰も真似できない個性として、リスペクトの念を持って語られてることは言うまでもなし。
まだ、西洋美術に興味のない方も是非。
一発で虜になりますから。
★ハッとしてグッとポイント★
ヘンタイもみんなちがって、みんないい!
0コメント