「好きなことだけ!」を仕事にする経営

山井太 著 / 

  

アウトドアメーカーのスノーピーク(snow peak)の製品は、ハイエンド向けで値段はけして安くない。

  

しかしその製品作りの姿勢やこだわりに共感し、その価値を認められ、多くのユーザーに愛され、この経済不況の中、右肩上がりの成長を遂げる稀な会社である。

  

その根底にはスノーピークの掲げる確固たる信念がある。

  

会社にとっての「真北の方向」がはっきりしていれば、経営者の判断は安定する。

コンパスの針が常に真北を指す様に、我々はその場所を目指し続ける。

  

スノーピークの「真北の方向」とは、「ユーザーの笑顔」。

自らもユーザーであるという立場を考え、お互いが感動できる製品やサービスを提供する。

使い勝手が良く、壊れるることなく、他社とはその質感が全く異なるものを作り続ける。

  

そのために徹底的にユーザーの声に耳を傾ける。

年に数回、顧客とスノーピーク社員が一緒にキャンプを楽しむイベントを開催し、そこでスノーピークの魅力や目指す方向を直接伝え、ユーザー側からは、今のスノーピークの 問題点や改善点の指摘を受け、次に繋げていく。

  

キャンプの焚火(たきび)を囲んで、ユーザーと直接語り合う。

スノーピークという会社が愛され、顧客に愛されていることを理解できる貴重な時間である。

  

スノーピークの本社は新潟県の冬になると銀世界に包まれる自然豊かな場所にある。(本社の敷地全体がキャンプ場として活用されている)

そのため主な製品の製造の多くを隣町の燕三条(つばめさんじょう)の工場に託している。

燕三条の地域は、江戸時代から続く金属加工の伝統があり、その技術の高さは世界的にも認められる、ものづくりの町として知られている。

  

その地場産業との協力体制のもとで、より質の良い完成度の高い商品は生まれる。

その反面製造コストはかかってしまうが、その分売れる仕組みやサービスをしっかりと構築し、高くても良いものを買ってくれる人に向けた製品を作っていく。

 

スノーピークが提供する製品やサービスは、ユーザーの人生を間違いなく豊かに幸せにする。

家族や仲間が仲良くなったり、癒されたりする価値を提供する結果として、ビジネスが成立している。

社員にも同じ感覚で働いて欲しい。

 

ユーザーがワクワクする製品を作り出すためには、まず何よりも社員自身がいきいきしていなければならないからだ。

 

ユーザーの側に常に寄り添い、ユーザーと同じ価値観を共有し、共に目指すべき「真北の方向」に歩み続ける。

  

そんな会社がまだ日本にもあるんだぞ、て誇りに思います。

  

★ハッとしてグッとポイント★

人生に、野遊びを。

読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

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