心配事の9割は起こらない
升野俊明 著 /
心を縛るもの、心に棲みついて離れないもの、これは全て「妄想」である。
禅の教えを通して、生きにくい人生を、生きやすい人生に変えるヒントが、ここにはたくさんある。
禅でいう「妄想」とは、「あれが欲しい」という我欲、「手放したくない」という執着や「他人をうらやむ」嫉妬などなど。
しかしこの妄想、厄介なことに誰にでも生じる避けては通れぬもの。
長い人生、一切の妄想と無縁で生きていくなんてできない。
だから、大切なのは妄想をできるだけ減らしていくということ。
そのためには妄想の正体を見極めることが大切。
妄想を生み出すもの、それは物事を対立的に捉える考え方。
「生・死」「勝・負」「美・醜」「富・貧」「得・損」「好き・嫌い」といった分別をしてしまうこと。
心にのしかかる不安や悩み、心配事の多くは、人間関係に絡んだもの。
他人と比べて、自分はこうだとか、比較することになんの意味があるのか。
心がまわりに振り回されている姿は、妄想にがんじがらめにされている姿と言える。
自分は自分、人は人は。
比べようのないものを比べようとするから、余計な無駄なものがまとわり付き、不安や悩み、心配事が後を絶たない。
比較することをやめる。
そして無駄なものをどんどん削ぎ落としていく、そうすれば妄想の9割は消えてなくなり、生きるのがずっとラクになる。
禅はどんなものも、どんな人も、他とは比べようのない「絶対」の存在と教えます。
自分の存在を意識し、「いま」「ここ」にいることに集中し、素直に生きていたなら、よい境遇も悪い境遇もなくなる。
そこにはただ、一生懸命生きる「場所」があるだけだ。
境遇があなたの生き方を左右するのではない。
あなたの生き方によって、境遇はどんなものにもなる。
「日日是好日」にちにちこれこうにち…
人生には晴れの日もあれば、雨の日もある。
しかし、いずれの日にも、その日でなければできないかけがえのない経験を積む。
全ての日が「好日」である。
禅の教えはとても身近なとことにあり、日々の暮らしとしっかり結びついている。
★ハッとしてグッとポイント★
余計な悩みを抱えないよう、他人の価値観に振り回されないように、無駄なものを削ぎ落として、限りなくシンプルに生きる。
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