響 〜小説家になる方法〜
柳本光晴 著 /
一見あまりぱっとしない読書好きの女子高生が、圧倒的な小説を書く才能によって、文学界を揺るがし、大きな風穴を開ける物語り。
圧倒的な天才を描く題材には、スポーツものや推理探偵ものなどが多く挙げられるが、こと「小説を書く天才」というものに今までお目にかかったことはなかった。
ただ奇をてらったのではなく、現在の文学界の抱える様々な問題や、賞レースの裏側、またプロの小説家にも関わらず、小説一本で生計を立てられぬ苦悩や挫折、才能の壁に行き場を失う恐怖や不安なども描かれていて、とても興味深い。
主人公の女の子の言動はとてもストレートで、時に周りを唖然とさせる。
しかし彼女の圧倒的で破壊的な才能の前では、それすら希薄になり、正当化してしまう。
自分の生き方に真っ直ぐで、大人の事情などお構いなし、ただ表現したいものがあるから「書く」という姿勢が魅力的だ。
本好きの方ならきっとお気に召すこと間違いなし。
★ハッとしてグッとポイント★
画力はないが、マンガ大賞第1位!
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