火花

又吉直樹 著 / 


純文学を愛する、太宰治を愛する、又吉先生の想いがプンプンと匂い立つ作品。

情感豊かな文体とお笑いの悲喜交々(ひきこもごも)が溶け合い、可笑しくも悲しい読後感がある。


多少の話題性はあったものの、しっかりとした読み応えのある小説だと思う。

芥川賞受賞が妥当のものかどうかは、人それぞれの見解ではあるが、この作品をきっかけに多くの人が文学というものに接することが出来たということは良かったのでは。


低迷の続く出版界において、久しぶりの福音だった。

次回作「劇場」でのさらなる躍進に期待したい。


★ハッとしてグッとポイント★

俗に芥川賞は芸術性の高い作品に、直木賞は娯楽性の高い作品に贈られるようだ。

感受性豊かな若かった頃には、芥川賞も良かったが、今ではもっぱら娯楽性の高いものがいい。


読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

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