こんなブラック・ジャックはイヤだ

つのがい 著 / 


手塚治虫の代表作、「ブラック・ジャック」のパロディ漫画。


パロディ漫画の内容はともかく(いまひとつなので…)、この画力に注目して欲しい。

一見、パッと見た限りでは、え!?手塚治虫、こんなブラック・ジャックも描いてたの?

とご本人作と見間違うほどそっくりなのである!

どこをどう見ても、手塚治虫タッチなのである。


決まり切った構図ならトレースでもしてんじゃないかと疑問も持つが、あらゆる動き、表情、場面構成まで手塚治虫タッチなのである。


もはや手塚治虫なのである。


私は手塚作品の中でも、ブラック・ジャックが最も好きで、結構数多くの作品を熟読してきた。

たぶん、私は以上の熱烈なBJファンからしても、これは「手塚治虫」なのである。


さらに驚くべきことに、著者のつのがい氏は、わずか一年半前にペンを握り、それまで漫画を描いた経験がなかったという。


興味本意に漫画を練習してみようかと、キャラクターをネットで検索し、ブラック・ジャックに興味を持ち、練習がてら描いてたらご覧のようになり、自らのSNSで公表していたところ、思わぬ反響があったのだ。


さらに、ペンを握るまで、手塚作品を読んだことがなかったという、なんとも彼は手塚治虫の生まれ変わりか?というエピソードまで。


ところで、ここでやはり気になるのが、ご本人作と見間違うばかりのキャラクターを描いてて、ただで済むわけないのでは…

そうです、そうこうしているうちに、手塚プロダクションからメールが届き、一度会ってみたいと連絡が…


ああ…来るべき時が来たか、と会いに行くと、そこには手塚治虫さんの長女の手塚るみ子さんがいらして、


「すごいわ!まるで父の生き写しのようなタッチですね」


と絶賛され、現在では手塚プロダクションのスタッフの一人として働いているのです。


いやはや、世の中、とんでもない人がいるもんだな。

でも、ほんと手塚治虫作品の新作に出会った感じで、興奮しました。

読んだら忘れないための備忘録

歳を重ねるにつて、読んだ端からすぐ忘れては、本屋でお気に入りの本を手に取り、帰ってみたら、自宅の本棚に全く同じものがある光景に辟易してしまう。 そんな負の連鎖を極力避けるべく、またせっかくの学びをより確かなものにするための備忘録です。

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