君たちはどう生きるか
吉野 源三郎著 /
昭和十二年、「日本少国民文庫」として刊行される。
当時は、日本が日中戦争の泥沼に足を踏み入れた時期であり、国内では軍国主義が進み、あらゆる思想や意見が弾圧されていた。
そんな時代だからこそ、ヒューマニズムに根ざし、自分の頭でしっかりと考え、意見が言える子供たちを育てたい、そんな思いで当本は書かれる。
主人公のコペル君(愛称)は中学二年生(当時は旧制中学校)
学校生活や同級生との交流を通して、様々な経験をします。
友情、貧困、いじめ、勇気、学問…
それは今も昔も変わることない普遍的なテーマ。
コペル君は、友人が同級生から制裁(いじめ)を受けたら、みんなで立ち向かっていこうと約束しておきながら、いざという時に出ていく勇気を持てなかった。
悔やみ憔悴しきって、寝込んでしまう。
父親を早くに亡くしてしまったコペル君は、いつも頼りにしている伯父さんに相談する。
伯父さんは、コペル君にあることを命じる。
思い悩むコペル君。
しかし、彼はついに決断し行動に出る…
似たような経験が誰にでもあると思います。
自分の意思とは反対に、踏み出せず、後悔した日々。
身に詰まされる話です。
本当の勇気とは何か。
その時自分はどうすればいいのか。
まさに自分の問題として投げかけてくれる。
君たちは、どう生きるかー
時代を超えた名著です。
★ハッとしてグッとポイント★
人間が人間同士、お互いに好意を尽くし、それを喜びとしているほど美しいことは、他にはありはしない。
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