この地獄を生きるのだ。
小林エリコ 著 /
小さい頃、「風の谷のナウシカ」が大好きで、将来漫画家になることを夢見た少女。
大学卒業後、勤めた先は、小さな漫画編集部。
社会保険なし、休みなし、月給手取り12万。
連日連夜、果てなく続く残業の嵐。
いくら労働時間が長かろうが、残業代は付かず、12万のまま。
食費にもこと足りず、生活は困窮を極め、ある日、コンビニでコンソメスープの素を万引きしてしまう。
その夜、彼女は精神病院から処方された薬を大量に飲み干し、自殺を図る。
気が付けば、病院のベットに縛り付けられ、全身を多くのチューブの管で繋がていた…
うつ病、生活保護、親との軋轢、死ねなかった私が「再生」するまでの物語。
仕事を失い、うつ病と診断され、生活保護を受ける。
玄関先で「元気ですか?」と挨拶するだけのやる気のないケースワーカー。
薬品メーカーと結託し、高額な薬を患者の症状など関係なく投薬し続けるデイケアクリニック。
「早く社会復帰したい」
このまま何もせずに、生活保護のまま生きていくなんて嫌だ。
私は何の価値もない人間なんかじゃやない…
身近に相談できる信頼する人間なんていない。
自由もなく“ただ生きている"ことへのうしろめたさから繰り返される自殺未遂。
未来の見えない絶望の中、ふたたび巡り合った「漫画の編集」という仕事で運命を切り開こうとする。
精神障害を抱えても、自殺未遂をしても、生活保護を受けても、終わりじゃない。
それでも人や社会と繋がることを諦めず、生き直したい。
普通に働いて、普通に生きたかった。
その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものかを知った。
宝石も高価な服も要らない。
ただ、その日その日をつつましく生きたいと願っていた。
★ハッとしてグッとポイント★
“生きづらさ"を感じる多くの方に読んで頂きたい。
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