申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
カレン・フェラン 著 /
「戦略計画」「最適化プロセス」「業績管理システム」…
こうして企業は崩壊する。
大手コンサルティングファームを渡り歩いた著者が、業界の仕事の実態、表から裏まで全てを語り尽くす。
流行りの経営論、見掛け倒しの方法論、人を煙に巻く専門用語、エクセルのスプレットシートや分厚いマニュアル本…それだけで企業の業績が向上し、画期的な成長など達成出来るはずがない。
長年、経営コンサルタントをしてきて、いい加減、芝居を続けるのにうんざりしてしまった。
ビジネスは理屈通りにはいかない。
人材はビジネスの一部ではなく、ビジネスこそ「人」なのだ。
非理性的で、感情的で、気まぐれ、クリエイティブで、面白い才能や独創的な才能を持っているのが人間たちだ。
そんな人間が理屈通りに動くはずはない。
なのに、世にはびこるコンサルティングの多くは、多様なビジネスモデルや理論を展開し、その職場から「人間性」を奪う。
作業にばらつきが出ないように、クライアントの意思決定に感情が絡まないように、また余計な意見が差し込まれないようにするため、人間的な要素を極力取り除こうとするからだ。
全てを数値化し、マニュアル通りに最適化し、そこにはひとりひとりの「人間性」など介入しない。
また、多くの企業は自分たちでは考えようとせず、コンサルタントを雇って、代わりに考えてもらおうとする。
コンサルタントが提案する方法論は人々が連携して働く道具に過ぎない。
その道具の使い方は、経営者と社員が互いに話し合い、考え導き出していくものだ。
最終的に企業の成功や失敗の鍵を握るのは経営陣であるべきで、外部アドバイザー任せにするべきではないのだ。
何の関連性もないようなおおざっぱな計算を行い、その効果を過大に見積もり、クライアントには過大な料金を請求し、データを誤魔化して、見事に成功しましたと宣言するー
全てのコンサルタントがそうではないが、そういったことがまかり通っている業界であることも事実である。
全ての経営コンサルタントを代表してお詫び致します。
申し訳ございません。
御社を潰したのは私です。
★ハッとしてグッとポイント★
コンサルが去った後に残るのは、「大量の資料」だけ。
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