ファクトフルネス
ハンス・ロスリング 著 /
あなたの「常識」は、20年前で止まっている。
貧困、教育、環境、エネルギー、人口…
現在、我々が住む世界には、様々な問題が山積みにある。
しかし我々はことごとくそれらの問題に対して、大きな勘違い、大きな間違いを犯している。
それは、政治家、ジャーナリスト、大学教授、企業の役員、医者など、知識人と呼ばれる層になればなるほど顕著に現れてくる。
例えば、世界で最も多くの人々が住んでいる層は、低所得でも、高所得でもなく、「中所得」の国に暮らしている。
人類の約75%もの人々が暮らしている。
世界は今、富める国と貧しい国との間に大きな隔たり、分断と呼べるものはないのだ。
実は、世界の貧富の差は拡大するどころか、縮小する一方なのだ。
人は実際には分断がないのにあるものと思い込んだり、違いがないのに違いがあると思い込んだり、対立などないのにあるものと考える。
これは人々が持つ「分断本能」によるもので、「世界は分断されている」と思い込んでいるからだ。
さらに世界の人口の内、極度の貧困にある人口の割合は、広がるどころか、過去20年で、約半分になっている。
しかし、現在の人々は、ますます貧困が進んでいるものと思い込む。
これは「ネガティブ本能」が成せるもの。
人口問題に関して言えば、今後ますます人口はひたすら増え続けるものと思い込んでいる。
この「ひたすら」増え続けるというとんでもない勘違いが、「直線本能」である。
正解は、人口が増えるスピードは、穏やかに減少し、その後横ばいになるのだ。
テロで亡くなった人の数は減っているし、自然災害で亡くなる人も減っている。
殺人に占める割合も減っているし、飛行機事故による大きな事故も減っている。
しかし我々はどうしても、そう捉えることができないでいる。
世界は常に恐ろしくて、危険な道を歩み続けるものだと思い込んでいる。
人は「悪いもの」と「良いもの」が対立している時、「悪いもの」にその関心が向く傾向があるからだ、これを「恐怖本能」という。
という具合に(これはほんの一部)、人は自身が待つ「様々な本能」によって、その思考が歪められ、常に「悪い方向」に導かれる危険性をはらむ。
間違った知識を持った人たちが、世界の問題を解決できるはずがない。
世界を逆さまに認識している人たちに正しい経営判断ができるはずかない。
正確なGPSが道案内の役に立つのと同じで、事実に元づいて世界を見ることで、人生の役に立ち、ストレスも減り、気分も軽くなるはず。
世界を正しく見れるようになれば、判断力が上がり、何を恐れ、何に希望を持てばいいのか見極められるようになる。
そう、
あなたが思うほど世の中はそれほど悪くないのだから。
★ハッとしてグッとポイント★
この本は世界の本当の姿についての本であり、あなたについての本でもある。
0コメント