採用基準
伊賀泰代 著 /
世界最大のコンサルティングファーム、マッキンゼーで働くために必要な採用基準とはなんなのか。
それは、出身大学や資格、地頭の良さなどではなく、どんな局面においても、リーダーシップを発揮できる、「考える意欲」と「考える体力」が備わった人材である。
欧米などにおいては、このリーダーシップを育成するために、教育機関で様々なプログラムが行われている。
積極的にボランティア活動に参加したり、インターンシップとして企業で働いてみたりと、様々な国の人々とディスカッションんを重ねながら、グローバルに学んでいく。
目標の達成や成果を上げるためには、リーダーシップを取れる人が必ず必要となる。
目標を掲げ、先頭になって進み、行く道の要所要所で決断を下し、常にメンバーに語り続ける。
さらに、チームの一人一人がリーダーシップを持つ組織は、一部の人だけがリーダーシップを持つチームより、圧倒的に高い成果を出す。
欧米ではこうして、全員にリーダーシップの経験を求めるのである。
かたや、我が国、日本はどうであろうか。
本来、成果目標を問うべき状況にあるにも関わらず、その目標が明確にされないため、みんなが和を優先し、誰もリーダーシップを発揮しようとしない。
リーダーとは「決める人」である。
検討する人でも、考える人でも、分析する人でもない。
それは各分野の専門のスタッフに任せればいい。
例え十分な情報が揃ってなくても、決めるべきタイミングで実行し、その後のリスクや問題点を考慮し、取り組んで行く。
日本の組織の決断が遅いのは、この点におけるリーダーシップの不在が原因と言える。
時に日本では、リスクを人ではなく、場所に負わせることがある。
決めたのは場所でも組織でもなく、人のはずだ。
そのリーダーの姿形が全く見えてこない。
日本にもリーダーになりうる人材はたくさんいる。
しかし、地頭の良さばかりに目が行き、リーダーシップを体系的に養成しようとする体制が整っていない。
リーダーシップのキャパシティーを増やし、要所要所にリーダーを配置することが急務である。
来るべき将来、世界で活躍できる人材が、中国人や韓国人に占められ、日本人がグローバルに活躍する格差が、ますます広がってくるであろう。
★ハッとしてグッとポイント★
「誰かが決めてくれるのを待つ。誰かが決めてくれたらそれに従う」ではなく、「自分たちで話し合って決めて行く。そのリードを自分が取ろう」
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